これから「社会福祉士」を取得しようと思っている方。具体的にどのようなことを学ぶのか、知っていますか?
私は、福祉とは離れた業界で仕事をしていましたが、あるきっかけで専門学校に行き「社会福祉士」を取得しました。
入学前は、ネットや本でざっくりと調べ、「困った人に対して、話を聞いて、一緒に解決していく相談員?」「社会保障の制度や医療・心理学も学ぶ?」など、何となくのイメージをもっていました。
しかし、専門学校に入学して実際に勉強をしてみると、「こんなことも勉強するんだ…」と思うことが多くありました。(そもそも私の下調べが悪いのですが)
そこで、これから「社会福祉士」の取得を考えられている人に向けて、「こんなはずではなかった😫」とビックリ・後悔しないように、学習内容をご紹介していきたいと思います。
今回は、社会福祉士の共通科目について記載します。(今は新カリキュラムに移行途中なので、これから大学に行かれる方、編入される方は少し変わっているかもしれません)
専門科目についてはこちら↓↓↓
各専門科目ごとの学習内容
人体の構造と機能及び疾病
赤ちゃんが生まれたときの平均体重・身長、歩いたり喋ったりする平均年齢、生殖や神経の発達曲線、老化にともなう知能・記憶・聴覚や筋力・食べものを飲み込む機能・栄養状態の変化などについて学びます。
また、脳や各臓器・目や皮膚などの構造と機能、呼吸や睡眠の仕組み、免疫の働き、認知症・パーキンソン病・糖尿病・精神疾患など代表的な疾患について学習します。
その他、脳や脊髄の障害部位と麻痺部位の関係、寝たきりによる症状、気をつける点などがあります。
心理学理論と心理的支援
心理的な仕組みや効果、記憶のメカニズムなど学びます。例えば、認知では「目撃者が多いほど、援助の手が差し伸べられにくい」、学習では「梅干しを見て唾液が出てくる、褒められると繰り返し行動する」などがあります。
その他、各々の心理療法の特徴、セラピストとしての態度について学んでいきます。
社会理論と社会システム
海外を含め、これまでの社会がどう作りあげられてきたのか学びます。法律や経済、家族や地域・産業の変化、集団や組織による影響など、歴史や背景・社会学者たちの理論を通じて学習します。
現代社会と福祉
他科目の内容に多くまたがる、総合的な科目になっています。特徴としては、福祉の思想や哲学において、分配の効率性・格差是正の原理など、学者が提唱する理論について触れます。
その他、日本の福祉政策の歴史、諸外国における福祉制度や社会保障費・税負担などの特徴について学習します。
地域福祉の理論と方法
地域福祉とは、誰もが身近な地域で、その人らしい自立した暮らしを実現することです。
しかし、制度があっても、必要としている人が様々な理由で利用できず不便になっていたり、何かしらの活動に制限がかかってしまうことがあります。そこで、制度やサービス提供者だけでなく、住民も主体となって協力して活動に取り組むことが求められています。
これらのネットワークの構築、推進団体、ソーシャルワークのプロセスなどについて学びます。
福祉行財政と福祉計画
福祉は主に税金でサービスを提供していますが、その財政の動向・配分、行政における相談体制や専門職について学びます。
また、行政は福祉施策に対するニーズ把握や今後の対応などをまとめた様々な計画を作成しています。それぞれの計画の概要や作成過程・評価について学習していきます。
社会保障
他の科目の内容に多くまたがる分野です。特徴としては、年金制度の歴史や内容について深く学びます。
年金はおおきく国民年金、厚生年金があり、それぞれ老齢・障害・遺族など種類が豊富で、受け取れる条件など学びます。その他、企業年金や確定拠出年金についても触れていきます。
障害者に対する支援と障害者自立支援制度
これまでの歴史や当時の特徴、現在までの変遷を通して、法律や制度の背景について学びます。そして、それぞれの法律の目的、対象となる障害やサービス内容、支給プロセス・自己負担額、行政・民間・専門職の役割などについて学習します。
また、生活実態のデータなどを通じて、取り巻く環境や特徴・課題について把握します。
低所得者に対する支援と生活保護制度
主に生活保護法、生活困窮者自立支援法について、それぞれの対象者、目的・支給プロセスやサービス内容について学びます。生活困窮者自立支援法は、生活保護になる前の支援制度になります。
また、支給人数・世帯の状況・保護費用の推移や貧困率・経済状況との関連など、各種統計について見ていきます。
生活保護で支給されるお金は、世帯人員、年代、地域などによって異なり、それらの計算方法についても触れます。
保健医療サービス
医療保険制度はもとより、病院と診療所(クリニック)の違いや、介護老人保健施設はどんなことを目的としているのかなど、各医療施設や病棟の基準・役割について学びます。
また、病床数などは行政のコントロールがあるため、行政との関係について学習したり、診療報酬についても軽く触れていきます。
その他、在宅医療に関する事例や連携なども学習します。
権利擁護と成年後見制度
人々の権利を守るために、人権への理解を深めていきます。そして、人権を守るための法律、民法による親族・相続・契約、行政法による不服審査・情報公開などについて学びます。
また、自分の意思表明が難しい方が、自分の意思を尊重した契約・手続きが出来るようにサポート・支援する制度について学習します。関連する行政、裁判所などの組織や弁護士などの専門職の役割についても学びます。
終わりに
社会福祉士は多くの法律や社会情勢について幅広く学びます。これから取得を目指す人の参考に、少しでも役立てて頂けたら嬉しいです。
参考になる書籍の一部をご紹介↓↓↓
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