こんにちは、らんたなです。
仕事をしている中で、なんとなく辞めたいなと思いつつも、やりたいことが見つからなかったり、生活費のことを心配して積極的に進めないことがあると思います。
僕は大学を卒業したあと、ひとつの会社で8年間お仕事していました。
入社当初からなんとなく辞めたいなと思っていたのですが、次にやりたいことが見つからず、だからと言って何か勉強したり、知識や体験を増やすような活動もほとんどしていませんでした。
そんなとき、自分の役に立つのではと思える資格(社会福祉士)をたまたま見かけ、調べてみると学費の支援(専門実践教育訓練)や毎月給付金がもらえる制度(教育訓練支援給付金)がありました。
社会福祉士に限らず、他の多くの資格も対象となってます。その数にびっくりしました。
僕はこの制度を実際に活用し、会社を辞め、日々の生活費の支援を受けながら専門学校で学びなおしました。
そして、以前働いていた業種とは全く異なる分野で仕事をしています。
この仕事が自分にあっているのか、本当にやりたかったことなのか、
このままこの仕事を続けて良いのか、仕事が嫌だけど次にやりたいことが見つからない、生活費も心配だし踏み出せない
そんな方が、この制度を知ることで、次に進むための選択肢のひとつとして活用出来たらと思います。
今回は、学費の支援(専門実践教育訓練)について記載します。
専門実践教育訓練給付ってなに?
- 就職の可能性が高い仕事で必要とされる能力
- キャリアにおいて長く生かせる能力
これらを習得するのに必要な費用(学費)の一部を給付してくれます。
一部の給付なので、手出しのお金は必要になってきます。また、給付は半年に1回行われ、後日お金が返ってきます。そのため、最初は学費を一括、または分割で支払う必要があります。
給付金の対象となるものは、厚生労働大臣の指定を受けた学校などの機関であることが条件です。
習得できるもの
項目 | 講座数 H31.4時点 |
(1)業務独占資格または名称独占資格の取得を訓練目標とする養成課程 (介護福祉士、看護師、美容師など) | 1,406 |
(2)専修学校の職業実践専門課程およびキャリア形成促進プログラム (商業実務、衛生関係、医療関係など) | 745 |
(3)専門職学位課程 (教職員大学院、法科大学院など) | 81 |
(4)大学等の職業実践力育成プログラム (特別の課程(保健)、特別の課程(社会科学・社会)など) | 110 |
(5)一定レベル以上の情報通信技術に関する資格取得を目標とした課程 (情報処理安全確保支援士、ネットワークスペシャリストなど) | 28 |
(6)第四次産業革命スキル習得講座 (AI、データサイエンス、セキュリティなど) | 45 |
(7)専門職大学・専門職短期大学・専門職学科の課程 | 0 |
業務独占資格または名称独占資格の取得を訓練目標とする養成課程
厚生労働大臣から指定を受けた専門学校などで、訓練期間が原則1年以上3年以内のもの(通信制も対象)
看護師、介護福祉士、美容師、調理師、保育士、歯科衛生士、社会福祉士、はり師、柔道整復師、准看護師、栄養士、精神保健福祉士、助産師、理容師、あん摩マッサージ師、臨床工学技士、製菓衛生師、言語聴覚士、歯科技工士、キャリアコンサルタント、理学療法士、作業療法士、視能訓練士、保健師、測量士補、建築士、きゅう師、臨床検査技師、海技士、電気工事士、義肢装具士、航空運航整備士、管理栄養士、測量士(受講できる場所が多い順(H31.4時点))
たくさんの資格が対象となっています。
上記の資格の中には、単純に卒業すれば得られる資格と、卒業見込み・卒業後に国家試験を受験して得られる資格が混ざっているので、自分の興味のある資格がどちらなのか事前に調べておくと良いと思います。
専修学校の職業実践専門課程およびキャリア形成促進プログラム
例えば、
- 看護師の資格を持った人が1年かけて助産師の受験資格を取得する
- 夜間に1年間で働きながら福祉を学び、国家試験を目指す
などがあります。
下記に文部科学省のリンクを張っています。
その他
厚生労働省の下記リンクをご参照頂けたらと思います。
専門実践教育訓練給付を受けられる対象者
雇用保険の被保険者の場合
以下のどちらも満たしている人
- 現在、お勤め先で雇用保険(一般・高年齢・短期雇用特例被保険者)に入っている方
- 講座の受講開始日に、雇用保険への加入が3年以上(※初めての人は2年以上)ある方
雇用保険の被保険者であった人の場合
以下のどちらも満たしている人
- 離職などで雇用保険の資格を失った方で、資格喪失後、受講開始日までが1年以内の方(※この1年以内の期間に妊娠、出産、育児、疾病等の理由で30日以上教育訓練を受けられる状況でなかった場合、最大20年以内)
- 講座の受講開始日に、雇用保険への加入が3年以上(※初めての人は2年以上)ある方
過去に転職などで雇用保険に入っていない期間がある場合
空白部が1年以内であれば、過去の雇用保険に入っていた期間について通算できます。
学費の支援、給付金について(専門実践教育訓練給付)
受講費用の最大70%(年間上限56万円)を最大3年間給付してくれます。
ここで「最大」と言っているのは
- ①対象者全員が受講費用の50%(年間上限40万円)の給付
- ②受講終了後1年以内に就職で+20%(年間上限16万円)の給付
あわせて①+②=最大70%(年間上限56万円)となります。
注意点として、ここでいう就職とは、雇用保険の対象となることで、正社員や週5日のフルタイムとは異なります。
雇用保険の対象:週20時間以上、1か月以上の雇用契約
ですから、家事や子育て、健康面や体力などで少しだけ働きたい方も上記を満たせば対象となります。
私の知人は子供の時間に合った短期間、短時間のパートを行って、+20%の給付を貰い、その後はゆっくりと自分にあった仕事を探していました。
以下にどのくらいの給付がもらえて、自己負担はいくらになるか記載するので参考にされてください。
年間受講費 | 受講年数 | 総費用 | ①支給額 (50%) | ②最大支給額 (70%) | 自己負担 (②のとき) |
30万円 | 1年 | 30万円 | 15万円 | 21万円 | 9万円 |
50万円 | 1年 | 50万円 | 25万円 | 35万円 | 15万円 |
100万円 | 1年 | 100万円 | 40万円(上限) | 56万円(上限) | 44万円 |
100万円 | 3年 | 300万円 | 120万円(上限) | 168万円(上限) | 132万円 |
受講費は、入学金と授業料です。
模試や国家試験代、行事の費用、交通費、パソコンなどの機材などは含まれないので注意してください。
実際に私が貰った給付金の金額、学校に掛かった費用については下記をご覧ください。
給付金を受けた人が再度利用する場合
最初に給付金を受給した受講開始日から10年を経過するまで、給付限度額は10年間で合計168万円となります。
専門実践教育訓練給付金の申請手続きについて
①自分が学びたいものと学べる場所(学校・通信など)を決める。また、専門実践教育訓練の対象となっているか確認する。
②本人がハローワークに行き、受給資格があるかどうか確認する(身分証明書を持参)。郵送や代理人も可能(必要書類についてはハローワークへ問い合わせる)
③ハローワークのキャリアコンサルティングを受け、資料(ジョブ・カード)を作成
④上記の資料をハローワークに提出する
ここでの注意点として、すべての手続きは受講開始日の1か月前までに行わないといけません。そのため、期間に余裕をもって申請する必要があります。
※病気や介護、在職中など、やむを得ずハローワークに行けない方は、電話でハローワークに問い合わせて下さい。理由が認められれば代理人や郵送手続きが可能となります。
※学校などへの入学に関する手続き(願書提出、受験など)については上記と並行して個人で行います。
生活費の支援、給付金について(教育訓練支援給付金)
雇用保険に入っていて、会社を辞めた人は失業保険が一定期間もらえますが、勤続年数によっては3カ月しか貰えない場合があり、その後の生活が心配な方がいらっしゃるのではないかと思います。
そのような方へ、教育訓練支援給付金という制度があります。
これは、失業保険の終了後、失業保険で貰えた金額の約80%が卒業するまで給付されます。
その他の学費支援
有名なところでは日本学生支援機構の奨学金がありますが、卒業後に返還しなければなりません。
一方で、各資格の団体、〇〇協会などが実施している、資格取得後にお住いの地域で働くと返済が免除されるもの、そもそも返還義務のないものもあります。
これらに関しては、学校などに問い合わせてみると良いです。
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