前回までのお話では、妹の記憶に基づき、路上でのセールスと契約に至るまでの状況を確認しました。
今回は、業者に交渉した内容、交渉結果について記載したいと思います。
契約が無効になるのでは?と思う点について
僕が契約が無効になると考えるのは
①契約の判断が出来る状況ではない
・障害者手帳:療育手帳、精神保健福祉手帳を公的に所持している。
・セールスマンが無料で今のスマホ料金より、安くなる→毎月いくらかかると言ってなかったという認識。
・妹は用事があり、通常は話しを断る。帰りたいと言っても帰れない→留めおいた、断れないのはおかしいと判断するべき。
・本人がメールアドレスをスマホで表示することが出来ない状況にも関わらず契約した。
・兄(僕)と暮らしていると伝えた→セールスマンが僕に聞くこともできた(配慮)
・本人のスマホをセールスマンが使用した。
代理店や運営元について
路上セールスをしていたのは代理店でした。代理店のホームページを見たところ、所在地と連絡先が書かれていましたが、事業内容はほとんど書いてなく、良く分からない会社だなという印象です。2,3ページしかありませんでした。
この代理店に電話しましたが、時間をあけて計4回かけても出ず、更に信頼が出来ない会社だなと思いました。
次に、運営元のホームページを確認しました。東証一部上場の企業であり、格安スマホ・SIM・光回線、今回契約してしまったモバイルWi-Fi等の事業を展開していました。
上場企業であることから、顧客のことについて考えてくれたり、代理店を経由したとはいえ今回の件で社会的な評価が下がることを懸念して話を聞いてくれたら良いなと思いました。
運営元に電話
状況について説明したところ、通常解約なら受け付けるという判断でした。
通常解約は、解約料+機器代=54,010円を支払うということです。
運営元の返答は
本人のサイン、身分証明、翌日に電話で手元に書面のある状態での料金説明をしており、問題ない
障害者手帳に関しては提示してもらっていない
とのことです。
でも、思いませんか。「障害者手帳持ってますか?」と聞かれたら言う人もいますが、こちらから手帳持ってますという人はほどんどいないと思います。
スマホと身分証明をセールスマンが使い入力した、など様々なお話しをしても、僕との交渉では契約を無効にしてくれる感じはありませんでした。
そこで、消費生活センターや弁護士を通して相談することを伝え、電話を切りました。
今思えば、契約翌日に業者から妹へ電話確認した、料金説明内容は業者が録音しているので、そのやり取りについて情報開示をしてもらっても良いのかなと思いました。
消費生活センターへ介入を依頼
僕では交渉が上手くいかなかったので、これまでの内容についてまとめた書類を持って、再び消費生活センターへ訪問しました。
消費生活センターへ介入を依頼し、運営元が代理店に対して、勧誘状況について確認することを約束してもらいました。
やはり、個人が交渉するのと、公共の相談機関が交渉するのでは、業者側の聞く姿勢も変わります。
業者の返答
数日後に運営元から消費生活センターに返答があり、無条件解約とすること提案されました。
また、無条件解約の場合、障害者手帳のコピーの提出が必要になりました。
僕はこれ以上、この件に手を掛けたくなかったのと、お金を一切取られないことからこれを承諾することにしました。
僕は法律家ではないので、正確なことは分からないのですが、無条件解約=クーリングオフと同等な形であると思います。
クーリングオフは期間内に一方的に契約を解除することができ、契約は初めからなかったことになります。
一方で、今回の件に関しては
・クーリングオフ期間が過ぎている
・業者側として「本人の判断能力について、契約当時、分からなかった」
・業者側として「契約は有効だと考えるが、セールス時に改める部分もあったことから、解約料や機器代金は請求しない」
よって「障害者手帳のコピーと商品の返送をもってキャンセルを受け付け、解約金はなし」という和解のような形になっていると思われます。
また、この時同時に契約してしまったクレジットカードについては、カード会社に連絡しすぐに解約しました。
僕が今回のことに気づいたのは、利用料の支払いが進む前だったので良かったなと。
支払いが始まってしまっていたら、もっとややこしい状況になっていたのではないかと思います。
終わりに
僕はこの後、運営元に
キャッシュカードや身分証等渡しているが、他に悪用していないか心配だ
とお伝えしました。
その後、代理店のセールスマンから僕に電話がありました。
悪用については絶対にないが、スマホのプランは容量・料金を下げる契約をした。その他について絶対にない。
個人情報等については、キャンセルになったので破棄している。
言葉遣いに関しては丁寧でしたが、謝罪の言葉はほとんどありませんでした。
セールスとしては、ちゃんと説明したという認識でしょう。
この人は妹曰く20代後半くらいと言っていました。
もしかしたら、この人も生活のために一生懸命だったのかもしれません。
僕は、こちらにも落ち度はあったのかもしれないが、世の中には契約を理解しにくい人たちもいる。
ご高齢の方や成人になったばかりの子、障害のある人もいる。
営業するなら、その人達がちゃんと理解できる説明をしてほしい。
中には、この商品が人によっては良いと思い契約する人もいると思う。
だからセールスするのであれば、相手の判断能力とか、セールス内容がちゃんと伝わっているか考えて仕事をしてほしい。
そして、コストメリットについては明確にハッキリと提示して欲しい。
そう伝えました。
「妹自身が無料等の認識をしているのであれば、こちらとしても説明に誤りがあったかもしれないのでお詫びします」
「今後、このようなことが無いように努めて参りますので、この度は申し訳ございませんでした」
という言葉を頂き、電話を切りました。
その数日後、僕は駅で声を掛けられました。
「お兄さん、これ、持ってます~???」
これが妹が引っかかったやつだな。
とてもイライラし、どんな営業か話を聞いてみようかと思いましたが、友人との約束があったのでその場を去りました。
また今度出会ったら、話を聞いてみたいと思います。
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